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消防法上に新たな「危険物」が追加されます

「危険物の規制に関する政令」及び「危険物の規制に関する規則」の一部が改正され、これまで「危険物」ではなく、消防法令などの規制対象外であった「炭酸ナトリウム過酸化水素付加物別称「過炭酸ナトリウム」という。以下同)」が、消防法上の危険物第1類(酸化性固体)に追加されました。

平成23年12月21日 公布
平成24年 7月 1日 施行

 

「過炭酸ナトリウム」は、酸素系漂白剤として広く用いられ、衣類などの漂白剤、洗浄剤などに使用されています。

このたびの法令の改正に伴い、一定数量以上の物質を貯蔵、取り扱う場合は、消防法令に基づき、貯蔵所などの施設の位置、構造が技術上の基準に適合したものとして、草加八潮消防組合管理者の許可又は草加八潮消防組合火災予防条例に基づく「少量危険物貯蔵・取扱い」の届出が必要になります。

 

炭酸ナトリウム過酸化水素付加物とは

  • 危険物第1類(酸化性固体)とは一般的に過炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウムとも言われる。
  • 常温で安定なアルカリ性白色粒状粉体
  • 酸素系漂白剤に分類され、水にたいへん溶けやすく、溶けると過酸化水素と炭酸ソーダに分解され、強力な酸化作用を発揮し、その性質を使用し漂白剤、洗浄剤などとして幅広く利用されています。

今回の消防法令の改正により、「危険物第1類(酸化性固体)」に分類されます。

 

主な用途は家庭用の漂白剤等に含まれ、主なものは次のとおりです。

  • 家庭用、業務用衣類の漂白剤
  • 食器の洗浄剤
  • 毛髪の脱色剤、染料の酸化発色剤
  • 入れ歯、コンタクトレンズの洗浄消毒剤など

 

危険物第1類(酸化性固体)とは・・・

消防法別表第一の第1類の項の品名欄に掲げる物品で、酸化性固体の性状を有するものです。

 

酸化性固体とは・・・

酸化力の潜在的な危険性を判断するための燃焼試験、落球式打撃感度試験において、一定の性状を示す固体を言います。

 

危険物第1類の共通する特性とは

  • 大部分は無色の結晶又は白色の粉末です。
  • 一般に不燃性物質で、そのもの自体は燃焼しないが、他の物質を強く酸化させる性質を有する固体可燃物と混合したとき、熱、衝撃、摩擦によって分解し、極めて激しい燃焼を起こさせます。すなわち酸素供給体(強酸化剤)の役割をします。

 

火災予防・消火の方法は

  • 衝撃、摩擦を与えないこと(爆発する危険性があります。)
  • 可燃物など酸化されやすい物質との接触を避けること。
  • 密封して冷暗所に貯蔵すること。
  • 消火は、大量の水を注入して冷却すること。(酸化性物質の分解を抑制するため、分解温度以下に下げることで、危険物(酸化性物質)の分解を抑制し、可燃物の燃焼も抑制できる。)

 

なぜ危険物に追加されたのか

平成22年度の「火災危険性を有するおそれのある物質等に関する調査検討会」において、火災危険性を有する物質の危険物への追加及び類の指定変更について の検討が行われ、当該検討会報告書において「過炭酸ナトリウム」を新たに危険物第1類に追加することが適当とされました。

1.火災の危険性について

危険物確認試験において、危険物の規制に関する政令で定める性状を有していた。

 

2.年間生産量等について

年間生産量等が計算式で求められる数値以上であった。

上記2要件を満たしたことから、「過炭酸ナトリウム」が危険物第1類の性状を有し、かつ、生産性、貯蔵量及び取扱量が一定以上であることが確認されたため追加するものです。

危険物に追加することで、危険物の性質にあった規制(設備、基準適合)を課すことができるため、災害時の被害の拡大を防止することができます。

 

過去に危険物が追加されたことは・・・

平成13年7月にヒドロキシルアミン等(第5類自己反応性物質)を追加しました。

平成12年6月に群馬県(現太田市)のヒドロキシルアミン製造工場において、死者4名、負傷者58名を出す爆発火災事故が発生したことから、新たに危険 物第5類(自己反応性物質)に追加され、規制を受けることとなりました。当時は、毒物劇物取扱法などの規制は受けていたが、火災、爆発危険性は認識されて おらず「非危険物」でした。

 

今後どのような規制を受けるのか

平成24年7月1日(施行日)から規制を受けますので、今後、「過炭酸ナトリウム」を含有する製品(漂白剤など)を一定数量以上貯蔵、取り扱う場合は、消防法令に基づき草加八潮消防組合管理者の許可又は草加八潮消防組合火災予防条例による届出が必要になります。

現に貯蔵、取り扱いをしていなくても、今後、貯蔵等が予想される場合又は貯蔵数量が増加するおそれがある場合もありますので、該当する事業所にあっては、消防側との事前の相談をお願いします。

※「過炭酸ナトリウム」が危険物第1類に追加されましたが、性質の違いにより規制を受ける最低数量(指定数量)が異なり、また、「非危険物」の物質もありますので、性質などの詳細は製造メーカーに確認してください。

指定数量以上

消防法に基づき草加八潮消防組合管理者の許可を要する 

指定数量の5分の1以上 指定数量未満 

草加八潮消防組合火災予防条例により届出が必要

 

指定数量

(物質の危険性に応じて決められており、危険性が高い物質は指定数量が低くなっています)

 性質

指定数量 

規制概要 

第一種酸化性固体 50Kg

50Kg以上貯蔵又は取扱う場合

→消防法に基づき草加八潮消防組合管理者の許可が必要

10Kg以上50Kg未満貯蔵又は取扱う場合

→草加八潮消防組合火災予防条例に基づき届出が必要 

第二種酸化性固体 300Kg

300Kg以上貯蔵又は取扱う場合

→消防法に基づき草加八潮消防組合管理者の許可が必要

60Kg以上300Kg未満貯蔵又は取扱う場合

→草加八潮消防組合火災予防条例に基づき届出が必要

第三種酸化性固体  1,000Kg

1,000Kg以上貯蔵又は取扱う場合

→消防法に基づき草加八潮消防組合管理者の許可が必要

200Kg以上1,000Kg未満貯蔵又は取扱う場合

→草加八潮消防組合火災予防条例に基づき届出が必要

※危険物試験結果によると「過炭酸ナトリウム」の性状から、第二種酸化性固体(300Kg)に該当しますが、性質の違いにより第二種酸化性固体に該当しないもの(第一種又は第三種に該当)、「非危険物」の物質もありますので、製造メーカーに必ず確認することが必要になります。

 

施行日(平成24年7月1日)以降に貯蔵、取り扱いする場合は

施行日以降「過炭酸ナトリウム」を指定数量以上の危険物を製造所等で貯蔵、取り扱いする場合の経過措置

 製造所等を新たに設置する場合

例)現在、倉庫、工場などで非危険物の「過炭酸ナトリウム」を含有する製品等を保管、取り扱いしている場合
施行から6ヶ月以内(平成24年12月31日)に、草加八潮消防組合管理者の許可を受けること。

 

製造所等の構造、設備に変更を要する場合

例)現在、製造所等で他の危険物を貯蔵、取り扱いしている場合
施行から6ヶ月以内(平成24年12月31日)に、草加八潮消防組合管理者の許可を受けること。

 

現在、許可を受けている施設で、数量、倍数が増加する場合

例)現在、第1種を貯蔵、取り扱いしており、新たに「過炭酸ナトリウム」を貯蔵、取り扱うため、数量、倍数が増加する場合
施行から3ヶ月以内(平成24年9月30日)に、改正規定に基づく様式で草加八潮消防組合管理者に届け出ること。

 

消火設備に関する経過措置

新規設置(倉庫等から新規)、既存設置(変更許可)済みの消火器で、施行日に技術上の基準に適合しないものでも、施行日から1年6ヶ月以内は従前の例による。
平成25年12月31日までに技術上の基準に適合させる。

 

避雷設備に関する経過措置

施行日に設置されているものは、日本工業規格A4201「建築物等の避雷設備(避雷針)」に適合することとされた。

 

掲示板の記載内容に関する経過措置

平成24年9月30日までに技術上の基準に適合させる。

 

警報設備に関する経過措置

消火設備と同様
平成25年12月31日までに技術上の基準に適合させる。

 

危険物の容器及び運搬容器の表示に関する経過措置

現在、内装容器等及び運搬容器の外部に行う表示に関する基準については、1年6ヶ月以内は従前の例による。
平成25年12月31日までに技術上の基準に適合させる。

 

実務経験に関する経過措置

新たに危険物保安監督者を選任しなければならない製造所等
平成25年12月30日までに選任届出をすること。

 

施行日以降「過炭酸ナトリウム」を指定数量の5分の1以上指定数量未満の危険物を製造所等で貯蔵、取り扱いする場合の経過措置

当該物質を貯蔵、取り扱う配管の構造の技術上の基準について、次の条件を満たす場合は適用しない。

  1. 配管が十分な強度を有し、かつ漏れない構造であること。
  2. 危険物の数量を当該危険物の指定数量でそれぞれ除した商の和が、施行日(平成24年7月1日)において、現に貯蔵、取り扱っている危険物 の数量を当該危険物の指定数量でそれぞれ除した商の和を超えないこと。
  • 「過炭酸ナトリウム」を収納する内装容器への「表示」について、施行から1年6ヶ月(平成25年12月31日)は適用しない。
  • 「過炭酸ナトリウム」を貯蔵、取り扱う場所の位置、構造及び設備に係る技術上の基準適合について、施行から1年間(平成25年6月30日)は適用しない。(2に該当する場合)
  • 施行日以降、新たに指定数量の5分の1以上(個人の住居の場合は2分の1以上)指定数量未満の危険物を貯蔵、取り扱う場合 平成24年12月31日までにその旨を草加八潮消防組合消防長へ届け出ること。